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雨の日と月曜日は

 また雨の月曜日である。というより、台風の影響もあるのだろうが、ここのところ、ぐずついたお天気が続いています。

 「雨の日と月曜日は”Rainy Days And Mondays”」というカーペンターズ初期の頃のヒット曲がある、といってもリチャードの作曲ではなく、ポール・ウイリアムスの手による佳曲です。

Hangin' around   Nothing to do but frown
Rainy Days and Mondays always get me down
(時間をもてあまして しかめ面をするだけで
雨の日と月曜日は いつも心が滅入ってしまう)

仕事や学校、一週間の始まる月曜日に雨なんて・・・ああ、参ったなあ・・・

というブルーな気分を歌ったものですが、勤務体系が変則で月曜日がお休みになることが多い自分の場合は歌詞のように心がブルーとばかりはいえません。

 そぼ降る雨の中、学校や職場へ傘をさして急ぐ人たちを横目に、今日はどんな風に一日を過ごそうかなあ、と考えるのは、なにか他の人より一日得した気分になれるものです。別に邪魔にしているわけではありませんが、こどもたちも学校に行っていますし、どこかに遊びに連れて行くとか、一緒にキャッチボールをするとかということもなく、一日を自分ひとりのために使えるって、本当にありがたいものです。本当の意味での休日です。惜しむらくは、どこの図書館も公共施設も多くは休館日ですし、ちょっとドライブに、と思っても、ガイドブックに載っているスポットなどもお休みの場合が多い、というのが玉に瑕です。 

 午後からは、野暮用が入っているので、それまで久しぶりにカーペンターズのアルバムでも聴いてみようかな。carpenters_nowandthen

 カーペンターズは録音に限る、というのが私の持論です。

 と、いっても実際にコンサートで生演奏を聴いたことはありませんし、カレン亡き後、事実上カーペンターズは活動を停止していますので生演奏を聴く術もありませんが、私の高校時代、東京12チャンネル(現在のTV東京)で「ラブサウンズ スペシャル」という深夜番組がありました。海外人気アーティストの来日公演を一時間に編集して放映したものでしたが、ミッシェル・ポルナレフやビージーズ、レターメン、ポール・モーリア、ホセ・フェリシアーノなど(当時の)今をときめく一流ミュージシャンのステージはとても魅力的なものでした。

 当時は、今みたいにビデオクリップなんてなかったせいか、海外のミュージシャンの演奏はそれこそ、ラジオかレコードで聴くのがせいぜいで演奏シーンを目にするなんて稀有なことでした。そんな中にカーペンターズの放送があったのです。会場はどこだったか覚えていませんが、多分1974年の来日公演ではなかったかと思いますので、あるいは武道館でのライブだったでしょうか。リチャードがキーボード、カレンがドラムを叩いて、「スーパースター」「涙の乗車券」「遙かなる影」「愛のプレリュード」などお馴染みの曲の数々を演奏した(と思う・・・うろ覚えで申し訳ない)のですが、非常にとまどった、という印象が強く残っています。

 何故なら、普段レコードで聴きなれた音楽とはまったく別の演奏に聴こえたからです。というのも、カーペンターズというくらいですから、彼らのサウンドは兄のリチャードのアレンジャーとしての才能が如何なく発揮されて、非常に精緻に設計された図面どおりに建設された建造物です。イントロから始まって、メロディーライン、ハーモニー(特にカーペンターズの特徴ともいえる多重録音+ミキシングで分厚く緊密度の高いもの)からエンディングのフェイドアウトに至るまで、リスナーが本当に気持ちよく音楽の流れに身を任すことができるようにほぼ完璧な状態で提供されるよう録音されたもので、その完成度の高さは比類なきものといってもいいでしょう。

 しかし、そこに問題がありました。理想と現実、といいますか、限りなく理想に近い形で完成されたレコードのカーペンターズと、現実にはそれに程遠いステージの上の彼ら二人でした。録音とまったく同じ演奏をしようと思えば、多分、バックバンドだけでフルオーケストラ並みの編成になるでしょうし、ハーモニーもカレンとリチャードと同じ声質の人間を少なくとも各5名ずつはそろえなければならないでしょうし、リチャードのキーボードはまだしも、致命的なのはカレンの未熟なドラムを叩きながらリードボーカルをとることでした。

 あれほどレコードと実際の演奏が異なって聴こえるとは本当にショックでした。もちろん、フォークソングのようにギター一本で歌、というのとは違いますから、100%同じ演奏を求めることは不可能ですが、あまりにも・・・でした。たとえ、会場が武道館という演奏会場としては全く向かない(武道館だもの当たり前の話ですが)場所であることを引いても、ということです。

 おまけに曲を紹介するリチャードの甲高い早口言葉と、あんまり笑顔を見せず、低い声で時々ボソボソっとしか話さないカレン、こちらもレコードジャケットから感じる印象とは違ったものでした。

 クラッシックの世界でも、かつて、エルネスト・アンセルメが指揮するスイス・ロマンド管弦楽団のレコードがわが国で人気を博したことがありました。来日公演のチケットも飛ぶように売れたそうですが、実際の公演に出かけた人々は、スイスやレコード会社であるロンドンの録音技術がとても優秀であることを認識して帰途についたそうです。

 カレンが逝って20年以上の時が流れました。思えば拒食症という病気もそのとき初めて知ったものです。 彼女の歌声は永遠の遺産として皆に愛されたベストの状態のままで残されています。私はレコード、文字通り記録として残されたカーペンターズの作品の数々を今でも愛聴しております。

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