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結婚式記念日

 今日、11月29日は19回目の結婚記念日である。決して結婚記念日ではない。

 正確に言うと、19年前の今日、結婚式をあげたことになっているので、当日を記念日とはいわないと思うから18回目の記念日というのだろうか。 なぜ、結婚記念日とはいわないか、というと正式に婚姻届を出したのは12月2日であるからで、この日が結婚記念日ということになるのだが、妻はどうしても「11月29日が私たちの結婚記念日よね」と言い張っている。

 1129で「いい肉」の日だから、今日は血も滴るようなステーキで、ワインで乾杯! という雰囲気はとうの昔に失せてしまっている。 去年などは、まったく忘れてしまったくらいで息子からも相当ヒンシュクをかったものだ。 そういう意味では、あんまり結婚当初ほど気分が盛り上がるとは、文字通り「いいにくい」日となっている。

 本当は「いい夫婦の日」である11月22日に式場をおさえてあったのだが、妻のほうの実家の親戚で法事があるから変更してくれ、と言われ、やむなく1週間延期したのだ。ただ、招待状の印刷をかけてしまった後だっただけに、彼女が私の目の前で両親を前に「私の結婚と親戚の法事とどっちが大切なの!」と大声で喧嘩していたのを昨日の事の様に思い出す。 当の親戚のかたからは、式の当日「『お目出度いことを優先してもらって結構だ。法事はいつでもできるから、予定通りやってくれ』と言っておいたのにねえ、ごめんなさいね。」と言われたものだから、多分、あちらの両親が先に言われていた法事のことを忘れてしまっていたのが恥ずかしくて面と向かって言い出せなかったのかもしれない。
 実は最初に22日と29日の二案をもって、あちらの両親に相談に行ったのだが、実家の住所が11番22号であったり、両親の結婚記念日も、月は違うものの22日だったりで「よほど22という数字は私たちに縁がある。是非22日にして欲しい」と言い出したのは、あちらの両親だったのだから、彼女が怒るのも無理はなかった。

 憤懣やるかたなく、「親子の縁を切ってでも、22日に結婚する。あんたらは出席しなくていいから!」なんてまくしたてだした彼女に「結婚式は29日でもいいじゃないか。婚姻届を22日に出せば、実質的には22日が結婚記念日だ。」と耳打ちして、なんとか、その場を収めたのだが、それを向こうの両親には内緒で決めてしまったことから、後からとんでもない事件に繋がってしまう。

 29日の挙式に向けて準備もとどこおりなく進んで、式の一週間前、22日になって、当初の予定通り、私たちは市役所に婚姻届を提出した。と、いっても土曜日の午後だったので、日直のかたが受理してくれたが、一応これで、正式に夫婦となって、彼女の苗字は私と同じになったのであった。 住民票の異動届は、月曜日以降でないと受けられない、とのことだったので、書類上は、彼女は戸籍上は新しく編制された私の戸籍に入り、苗字が替わり、住所は依然のとおりなので、両親と同居している、という形になった。 ヤレヤレ、ホッとしたのも束の間、翌日曜日の夜のことだった。 突然、彼女から取り乱した様子で電話がかかってきた。

 「また、うちの親が余計なこと始めたのよ! 嫁入り道具に私名義で新車を買う契約をしたから、明日、住民票をとって来い、って言い出したの。 そんなこと、今まで聞いてなかったのに、もう信じられない!」

 住民票を持っていったら、住所は替わっていなくても、苗字が替わって、続柄が同居人になっている、内緒で、すなわち、22日に婚姻届を出したことがバレてしまう。 結婚式を目前に控えて、紛争が再度勃発してしまうことになる。  

 すぐさま、事情をききに彼女の家に行ったら、彼女はフテクされて自分の部屋に閉じこもってしまっているし、両親は「せっかく、新しい自動車を持たせてやる、というのに要らない、と怒っている。 とんでもない親不孝ものだ」とカンカンの状態であった。

 「一旦、うちの娘の持ち物として登録して、持たせたいので、車庫証明もうちの地番で取ってきてくれ、車検証の所有者氏名も今の氏名で、送り出したい」という、娘を思う最後の親心だと、いうことらしい。

 翌月曜日早朝、始業前の市民課の窓口に出向き、事情を話したところ、まだ、正式な受理の手続きをしていない、ということで、本当はいけないのかも知れないが、一旦、提出した婚姻届を戻してもらった。

 収まらないのは彼女のほうだった。 自分の人生を親の玩具かなんかのように弄ばれた、と言ってカンカンに怒り、結婚式の前、家を出る前のお決まりのイベント、三つ指をついて「お父さん、お母さん、お世話になりました」も、一切しなかったらしいし、それどころか、その日から、式の当日まで「一切口をきかなかった」と言っていた。彼女はそういうことでは冗談をいう性格ではないので、多分本当なのだろう。

 披露宴の最後に涙を誘う両親への花束の贈呈は、当初から予定していなかった。 それについても向こうの親もかなりブツブツ言っていたのだが、「両家の親の連名でお客様を招待しておいて、最後に自分たちが花束をもらうところを見せるのは失礼なのではないですか?」と、これは私が持論をぶち上げて、説得したのだ。 「費用は私たちの資金で賄う以上、私たちの連名で招待状をお送りしたい」という私の提案を、「私たち両親に恥をかかせるつもりか」と一喝されて、親の名義での招待状にした以上、その時点で花束の贈呈は行ってはならない、と考えて十分に理解をしてもらったつもりだった。 最近は、双方の親の連名ではなく、本人たち名義で招待状を送っているので、花束贈呈は文句なく許されるだろう。 しかしながら、このことについても、後から、あちらの親だけでなく、いろんな人にいろいろ文句を言われたものだ。

 「花束贈呈がない披露宴はクリープのないコーヒーみたいなものなのよね・・・」云々

 私の親の方はいえば、全部私にお任せであったので、随分楽だった。 「子どもは、親が教育したようにしか育たない。 お前がそう考えているんなら、俺がそう教育したんだろう。」てな具合である。 

 さて、紆余曲折を経て、なんとか式と披露宴をこなした私たちだったが、まだ婚姻届を出していなかった。 彼女が「悔しくてたまらないので、親の思いどおりに29日に婚姻届を出すのはやめてくれ」というのだった。 来年、「今日は結婚記念日だね」と向こうの親が言ったときに、「あんたらは娘の結婚記念日も知らないの?」と毒づいてやるんだ、と言う。(こうなると相当根深いものがあるよね。)

 「じゃ、いつでもいいんだよね。」と彼女に了解をとって、彼女も両親もこだわったのが「22」だったのだから、ということで婚姻届を12月の2日に届け出た。 よって、私たちの結婚記念日は12月2日なのだが、最近、かみさんは11月29日がそうだといってはばからない。

 あんなに喧嘩して大騒ぎしたかみさんの両親もすでに、この世になく、今は「ああ、そんなこともあったね」と「いい思い出」として、当時、強烈に意識をせざるをえなかった結婚式記念日から「式」をとってしまえるような心のゆとりができたのかも知れない。

 

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