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息子の卒業式

 早3月である。 枯れた庭の芝生にもあちこちに緑の葉が見えてきた。だが、今日のこの雨の冷たさはどうだろう? 衣類を通してストレートに肌に達する冷たさは、むしろ雪よりも冷酷に身に染むものだ。 そんな冷たい雨の中を、未だに進学する大学が決まらずにもがき苦しんでいる息子の卒業式に行ってきた。 自分の高校の卒業式には、自分の親はもちろん来ていなかったし、そもそも保護者席なんてなかった、と記憶しているのだが、最近は大学の入学式や卒業式まで親が押しかけて、ビデオカメラを回すらしい。もちろん、僕はビデオもカメラも持参しなかった。 学校自体には、年に2回の保護者懇談会で来たくらいで、特になんの思い出も思い入れもない。 PTAの役員として出席予定だった細君が、例によってウツ状態で気分がすぐれぬ為に、指名代打としてのお出ましとなったわけだ。

 息子の進学先が決定していれば、もう少し、晴れやかな気分で臨めたのだろうが、すでに3つの大学には合格しているものの、その実情は「80%を超える高い現役合格率」を標榜する所謂進学校としての実績作りという学校側の勝手な都合で「とりあえず、ここも受けておいてくれよ」みたいな形で受験して合格した大学が2校(なるほど確かに「高い現役合格率」であって「高い現役進学率」とは言ってないなあ・・・)。 あとは親友とお互いの志望校を相互に受けっこする約束で受験した大学1校。 なんて馬鹿な約束をしてくれるのかね。「そんなことをして、行きたい本人ではなくてどうでもいい方が合格したらどうするんだ、まったく!」と後で息子から聴いて怒ったものだが、当の本人の行きたい志望校は破竹(?)の5連敗中という状況に家族も含めて、今日のお天気のように陰鬱な毎日が続いている。こちらまでうつ病になってしまいそうだ。 

 自分の頃とはえらく様変わりした大学入試制度に、親としては最初はかなり戸惑ったものだ。 なにしろ、同じ大学の同じ学部をAO入試から始まって、センター試験だ、A方式だ、B方式だ、2月入試だ、3月入試だ、と何回も受験できるチャンスがあるのだから、羨ましい限りだ。 でも、ことごとく、それに跳ね返されてしまう息子。 なのに、まだ、あと2回もある受験のチャンス。 最初は「これだけ受験のチャンスがあるのに浪人する人間がいるなんて信じられないな」と冗談まじりに言っていたのだが、だんだん冗談では済まされなくなってしまった。 最終的には「縁がなかった、と思って諦めるしかねえな」と慰めてあげる覚悟はできているのだが・・・。 まあ、かくいう私も高校も大学も第一志望ではなかったので、決して偉そうなことはいえないし・・・。 

 とりあえず、息子よ。 卒業おめでとう! 3年間、無遅刻での皆勤賞はスゴイもんだな。 部活で足を怪我したときも松葉杖をつきながら通っただけのことはあるな。 君の卒業文集を読んで、第一志望ではなかった高校での、最初の頃の戸惑いや不安。 部活を通して得た友人たち、良き師と仰げる先生との出会い、そして、自分では受験勉強としてではなく、自らの好奇心を満たすために勉強に取り組んだこと等を知った。 知らないうちに、こんなに成長していたのだろう。 そして最後の最後に書いてあった「言いたいことは山ほどあったろうに静かに見守ってくれた父親に感謝する」の一言に思わずジ~ン。ホロリときた。僕の子育てはもしかしたら成功したのかもしれないな。 

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