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花久の里のバロックコンサート

 鴻巣市花と音楽の館かわさと「花久の里(かきゅうのさと)」で行われた第6回フラワーコンサート(主催:フラワーコンサート実行委員会)に出かけた。リコーダーの花岡和生とチェンバロの岡田龍之介という、この2つの楽器の日本における第一人者のお二人によるバロックコンサートである。これを聴き逃す手はないというものだ。もしかしたら、鴻巣市でバロック音楽のコンサートが開催されるのは初めて(?)かも知れない。

 この施設は、元自治庁長官の青木正、元環境庁長官の青木正久と親子2代に渡って衆議院議員、国務大臣を務めた青木家の屋敷を、遺族から合併する前の旧川里町が譲り受けたものを、鴻巣市になってから改修したもの。正久氏が、日本バラ会の副会長を務めたり、バラに関する著書も著すなど無類のバラ好きであったことと、音楽愛好家の国会議員の集まりであった音楽議員連盟の会長を務めていた関係で、「花と音楽の館」として昨年整備された、という。庭園の花を愛でながら、サロンコンサートが楽しめるホールや、手打うどんの食堂や、茶室などもあり、和洋折衷の憩いの場といったところか。20080329

 僕も、仕事で以前、ここを訪れたとき、ホールの残響の良さと、雰囲気に、バロックや室内楽にピッタリではないか、と感じていたので、このプログラムをみて、是が非でも聴かなければ、ということになった。残念ながら、新しくて、とてもいいホールなのに、中古を譲り受けたというグランドピアノの状態は劣悪で、とても音を楽しむようなものではない。今回は、ピアノではなく、チェンバロだったのも、興味をそそられた理由の一つ。

 プログラムは、2部構成で、最初に実行委員会の野本恵司会長のあいさつがあった。「あんまりお喋りが長いとアンケートに書かれてしまうので短めにします」と言った割には、結構長かったなあ。この人、本業は「つけしん」という市内の老舗の漬物屋さんであるが、最近はなぜか、伝統の奈良漬よりも、「こうのすコロッケ」という漬物屋らしくない商品のほうが有名になっていて、いろんなイベント会場に行くと、大抵、白い調理服をまとってコロッケを揚げているのに出くわす。以前は、地元鴻巣のコミュニティFM放送局である「FMこうのすフラワーラジオ」で「行け行けクラシック」なる番組のパーソナリティをやるなど、音楽愛好家としても知られていて、現在は市議会議員としても活動しているなど、どれが本業なのかわからないほど、いろんな肩書きをお持ちである。何しろ、この「つけしん」という漬物屋、店内にはいつもクラシック音楽が流れている。以前、買物に行ったときも、バッハのクリスマスオラトリオなんかBGMにして奈良漬をポリポリ試食をしたことがあった。

1. ヘンデル/リコーダーソナタ ハ長調 HWV365
2. マルチェッロ/リコーダーソナタ ニ短調 作品2-11
3. ヘンデル/リコーダーソナタ ト短調 HWV360
4. ヴィバルディ/「四季」より「冬」第2楽章
(休憩)
5. クヴァンツ/無伴奏リコーダー曲集より3つの小品
6. ディフリ/クラブサン曲集より
7. オトテール/プレリュード ニ長調 作品7
8. オトテール/組曲 ニ長調 作品2-3
(アンコール)
9. J.S.バッハ/G線上のアリア
10. J.S.バッハ/シチリアーノ

20080329_01 潤いのあるリコーダーの響きと、乾いたチェンバロの伴奏にのって典雅な旋律を奏で始めると、そこが、周囲にのどかな田園風景の広がる(ばかりか、ステージ後ろの大きなガラスの向こうには、青いバラック屋根まで見えている)手打うどん屋(失礼!)であることを一瞬のうちに忘れさせてしまう。 カーテンをひていないのは、おそらく響きの関係だろうが、外の庭園を見学している人たちが、物珍しそうに演奏中のお二方を後ろから覗き込んでいくのが面白い。
 お客は決して多い、とはいえない、多分、60人くらい(?)だが、もちろん、こんなところまでバロック音楽を聴きに来るくらいだから、皆、熱心に温かく聴き入っている。想像以上に、ここのホールの響きは、チェンバロに合っている。リコーダーに関しては、少々、フラット、というか、割れ、かすれ音が耳につく、というか残る感じで、尺八の響きに近いような感じに聴こえてしまった。音楽専用のホールの設計ではないので仕方ないのかもしれないが、聴く場所によって、かなり受ける印象が変わるようだ。

 休憩時間に、近寄ってみると、チェンバロは東松山市の堀洋琴工房の故堀栄蔵氏の手になるもので「HORI」のロゴがあった。 リコーダーについても、もちろん、花岡さんが今日使っていたのは違うが、お隣の北本市にはトヤマ楽器というリコーダーの国内のトップメーカーがある。所沢市にはフルートの生産で世界的に有名なムラマツというメーカーがあることで知られているが、こうしてみると埼玉県というのは、ヤマハや河合楽器のある浜松には足元にも及ばないかもしれないが、楽器の製造ではかなり重要なウエイトを占めているのではないだろうか?

 とにかく、初めて聴く曲が多くて、演奏に関してコメントのしようもないのだが、久しぶりにチェンバロの音を、ましてこんなに近くで聴いたのだから、楽しくなかったはずはない。変なハコモノとかまったく使われない道路ばかりを残して、後は知らん振りの政治家が多い中で、青木先生は、とても良い物を地元に残してくださったものである。

 

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