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お十夜って

 埼玉県民の日は、明治4年の11月14日に「埼玉県」が生まれたのを記念して、100周年にあたる昭和46年(僕が中学1年のとき)に制定されて、それから県内の多くの公立学校はお休みである。

 だが、ここ鴻巣市では、それ以前から、市内にある勝願寺というお寺の「お十夜(おじゅうや)」という行事があって、前後の13日から15日にかけて、本堂で夜通し、施餓鬼を執り行うのだ。昔は文字通り14日を挟んで前後10日10晩、ぶっ通しで施餓鬼をしていたらしい。

 広い境内から参道の両脇に所狭しと露店や見せ物小屋(ヘビ女とかお化け屋敷など)が立ち並び、そりゃあ、大変な賑わいだった。市内の学校は午後からお休みになったりしていたらしい。僕の小学校ではそんなことはなかったと思うのだが、でも、学校から帰ると、毎年、家族全員で勝願寺に出かけたものだ。夕方になり、花火があがると、お隣の川里村や騎西町のほうからも自転車や徒歩の人々が三々五々、勝願寺に向かって行列をつくる様は、何やら北京の天安門広場みたいな感じか。

Img_0582  昔は、お十夜が近くなると、キグレサーカスやカキヌマサーカスがやってきて、それを見るのも楽しみだった。テレビもカラーではなくて、あんまり娯楽がなかったものなあ。農家では稲刈りも一段落して、子供たちにも「お十夜だから」という特別な理由で、おこづかいが貰えたし、冬物の衣類や手袋、マフラーを買ってもらったり、お正月を前に、なんとなく浮き浮きする気分だったし、鴻巣の市街に親戚があると、招かれてご馳走になったりもした。

 高校に行くようになった時には、すでに県民の日が定着して、学校は休みだったが、鴻巣市の中学出身者以外には「お十夜」というものが何なのか理解できなかった、ということを知って、ショックだったなあ。「『オジュウヤ』とは何を商っている店なのか?」とは「ムム・・・!?」

Img_0629  現在でも、見る人が見ると、賑やかな縁日みたいな風情だというのだが、昔を知るものにとっては、寂しい限りだ。鴻巣市にも、人口が急激に増えた分、余所からの転入者が増えたろうし、県民の日になると、親も会社を休んでディズニーランドに出かけるという家族が多い。14日に行われる人形供養の前に行われる稚児行列も、最近はディズニーランド人気に食われたのか、参加する子供が少ない感じだったが、今年は17,8人はいたろうか。

 せっかく、何かの縁あって、こんな古式豊かな行事がある鴻巣市に住んだのだから、七五三とは一風変わった、こんな行事に参加してみてはどうだろうか?

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