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臘月独興

いつものように慌しく暮れは過ぎていった。

 昨日、雨さえ降らなければ、餅つきマシンが故障していなければ、半日のロスが、致命傷だったね。まあ自分の部屋が片付いていないものの、応接やトイレなど共有スペースだけは、なんとか掃除できたので良しとしましょうか。

 プー太郎の長男は朝からバイト、高校受験を控えた二男は塾で合宿中、四半世紀連れ添った細君と二人だけの大晦日。特別に交わす会話もないし、せっかくの手打そばを玄関を掃除している隙に、料理音痴の細君がゆでてくれたものだから、まったく締りのない年越しそばとなってしまった。例えば市販のスパゲゲティの袋に「茹で時間7分」とあれば、10分は茹でなければ気がすまないというポリシーは、四半世紀徹底すれば、見事なものだが、家族はたまったものではない。「アルデンテ」などという言葉は細君の辞書には無いでんて・・・。冷たい蕎麦なのにヘナヘナに伸びきった物体をズルズルすすり上げ、やっぱり今年は最後までついてなかったんだな・・・と変に納得しつつ、除夜の鐘を叩きに出かける気力も無く、晦日祓いをしおえた途端に布団にもぐりこんだのであった。

玄冬迫りて正に嘆くに堪え (玄冬律迫正堪嗟)
還って喜ぶ 春に向かはんとして 敢えて賖ならざることを(還喜向春不敢賖)
尽きなと欲する 寒光幾ばくの処にか休まん (欲尽寒光休幾処)
将に来たらんとする 暖気誰が家にか宿らん (将来暖気宿誰家) 
氷は水面を封じ 聞くに浪無し (氷封水面聞無浪)
雪は林頭に点じ 見るに花有り (雪点林頭見有花)  
恨むべし 未だ学業に勤むることを知らずして (可恨未知勤学業)
書斎窓下 年華を過ぐさんことを(書斎窓下過年華)

道真が14歳のときに作った漢詩「臘月独興」である。天神様におすがする機会も多くなりそうだが、来年は今年もよりも少しだけ良い年になりますように。

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